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je-pu-pu サムネイルという「CGや写真などの画像を扱っているサイトの更新をチェックし、最新の画像をサムネイルにまとめて表示する、サムネイル付き画像更新情報お知らせサイト」がイラストサイトオーナーの反発を受けていることについて。
美しいものをたくさん、より手軽に見たいという閲覧者の気持ちも、精魂込めて描いた絵を意図した環境で見てほしい、反応がほしいという描き手の気持ちも両方わかる。
法に訴えるのは最後の手段(しかも個人の趣味レベルだと割に合わない)なので、法的に白か黒かというのは棚に上げる。技術的に自衛が可能かどうかという基準で判断する理論は、絵描きとその絵を楽しみたい閲覧者にとってはかならずしも有用ではない。
べつに正しくなくとも、合理的でなくとも、よい絵が描かれてそれを見た人が楽しみ、描いた人がそれを喜んで、またあらたな絵が描かれる、という循環が生じるのが双方にとって一番望ましい。そのためのシステムを考えたい。
多くの絵描きさんというのは、もともと自分の絵を見てほしいからサイトを開設しているのだけれど、ばりばりの技術屋さんじゃないんだから望まない引用・転載をされても自衛手段など知らないことが多い。教えてもらってもそもそもrobots.txtってなに、みたいな人はたくさんいる。
正しいHTMLなんか書けないし、テーブルタグは堂々と見栄えの調整に使うし、サイトのデータのアップロードだってボタン一つでできるのを使っているから、そもそもサーバ側のディレクトリのいじり方なんて知らないし、CGI禁止のプロバイダのホームページスペースを使っているのでアクセス解析もできない…というのはネットをはじめて半年でイラストサイトを作ったかつての私だけれど、そのままの状態で3年くらいは平穏無事に過ごしていた。当時の私がje-pu-pu サムネイルを知ったらさぞかし憤慨するだろうと思う。
そうこうするうちに、はてなアンテナやダイアリーを使うようになって、HTMLとかCSSとか、技術的なめんどくさいところを全部預けてしまってとても楽になった。
一方で特になにもしなくてもリンク元を教えてくれるはてなの日記編集画面や、気軽に書き込まれる(ブクマ普及以前はほんとにみんな気軽に書いていた)コメント欄、キーワードページからのアクセスなどなどのおかげでモヒカン族的な技術原理主義にも、思ったことは誤解を恐れずどんどん書くブログ的なオープンな文化にもだいぶ慣れたし、ある程度そういうメンタリティにも染まってきている。
かつて水彩イラストサイトを集めたアンテナを作って、有形無形の反応を体験した(→Web2.0と「作者の死」)立場としては、こういう文化の違いをうまく調整してくれる絵描き向けのレンタルブログが出てきてくれないかなぁとずっと思っているんだけれど、進展は見られない。
ここ1年の間にもブログサービスは増え続けているのに、依然として「絵描き向け」を謳ったサービスは出てきていない。イラストサイトにおけるブログの位置づけは、ほとんど日記ページとしての利用に限られている。(参考→JPイラスト検索 ブログ)
サイト丸ごとブログ化すれば管理は今までよりずっと楽になって、うまくすれば反応もたくさんもらえるはずなのに、いつまでたっても絵描きが大挙してブログへ移行しないのにはそれなりの理由があるはずなのだ。絵描きの人たちが新しい技術に対して関心がないわけではなく、利害が一致すれば爆発的に普及するのはWeb拍手の成功でわかる。
絵を描きたい人が絵を描くことだけに集中できる環境が早くできるといい。ブログができて、文章を書きたい人がHTMLやCSSに煩わされずにすむようになったように。